不動産の鑑定評価に関する法律(その4)
第四章 監督
(不当な鑑定評価等についての懲戒処分)
第四十条 国土交通大臣は、不動産鑑定士が、故意に、不当な不動産の鑑定評価その他鑑定評価等業務に関する不正又は著しく不当な行為 (以下「不当な鑑定評価等」という。)を行つたときは、懲戒処分として、一年以内の期間を定めて鑑定評価等業務を行うことを禁止し、 又はその不動産鑑定士の登録を消除することができる。
不動産鑑定士が、第六条又は第三十三条の規定に違反したときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、不動産鑑定士が、相当の注意を怠り、不当な鑑定評価等を行つたときは、懲戒処分として、戒告を与え、 又は一年以内の期間を定めて鑑定評価等業務を行うことを禁止することができる。
3 国土交通大臣は、不動産鑑定士が、前二項の規定による禁止の処分に違反したときは、その不動産鑑定士の登録を消除することができる。
(不動産鑑定業者に対する監督処分)
第四十一条 国土交通大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた不動産鑑定業者が次の各号のいずれかに該当するときは、 その不動産鑑定業者に対し、戒告を与え、一年以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、 又はその登録を消除することができる。
一 この法律又はこの法律に基づく国土交通大臣若しくは都道府県知事の処分に違反したとき。
二 不動産鑑定業者の業務に従事する不動産鑑定士が、前条の規定による処分を受けた場合において、 その不動産鑑定業者の責めに帰すべき理由があるとき。
(不当な鑑定評価等に対する措置の要求)
第四十二条 不動産鑑定士が不当な鑑定評価等を行つたことを疑うに足りる事実があるときは、何人も、 国土交通大臣又は当該不動産鑑定士がその業務に従事する不動産鑑定業者が登録を受けた都道府県知事に対し、資料を添えてその事実を報告し、 適当な措置をとるべきことを求めることができる。
(懲戒処分等の手続)
第四十三条 国土交通大臣又は都道府県知事は、第四十条の規定による鑑定評価等業務の禁止をしようとするとき、 又は第四十一条の規定による業務の停止を命じようとするときは、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第十三条第一項 の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
2 第四十条又は第四十一条の規定による処分に係る聴聞の主宰者は、必要があると認めるときは、参考人の意見を聴かなければならない。
3 国土交通大臣又は都道府県知事は、前項の規定により出頭を求めた参考人に対して、政令で定めるところにより、旅費、 日当その他の費用を支給しなければならない。
4 国土交通大臣は、第四十条第一項前段又は第二項の規定による処分をしようとするときは、土地鑑定委員会の意見をきかなければならない。
(懲戒処分等の公告)
第四十四条 国土交通大臣又は都道府県知事は、第四十条又は第四十一条の規定による処分をしたときは、政令で定めるところにより、 その旨を公告しなければならない。
(報告及び検査)
第四十五条 国土交通大臣又は都道府県知事は、不動産鑑定業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、 国土交通大臣にあつてはすべての不動産鑑定業者について、都道府県知事にあつてはその登録を受けた不動産鑑定業者について、 その業務に関し必要な報告を求め、又はその職員にその業務に関係のある事務所その他の場所に立ち入り、その業務に関係のある帳簿書類 (その作成又は保存に代えて電磁的記録の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をしようとする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、 これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(助言又は勧告)
第四十六条 国土交通大臣又は都道府県知事は、不動産鑑定業の適正な運営の確保又はその健全な発達を図るため必要があるときは、 その登録を受けた不動産鑑定業者に対し、その営む不動産鑑定業に関し必要な助言又は勧告をすることができる。
第五章 雑則
(試験委員)
第四十七条 不動産鑑定士試験の問題の作成及び採点を行なわせるため、土地鑑定委員会に試験委員を置く。
2 試験委員は、試験の施行ごとに、土地鑑定委員会の推薦に基づき、国土交通大臣が任命する。
3 試験委員は、当該試験の問題の作成及び採点が終了したときは、解任されるものとする。
(不動産鑑定士等の団体)
第四十八条 不動産鑑定士の品位の保持及び資質の向上を図り、 あわせて不動産の鑑定評価に関する業務の進歩改善を図ることを目的とする社団又は財団で、国土交通省令で定めるものは、 国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣又は都道府県知事に対して、国土交通省令で定める事項を届け出なければならない。
第四十九条 前条の規定による届出をした社団又は財団は、政令で定めるところにより、不動産鑑定士に対する研修を実施しなければならない。
第五十条 国土交通大臣又は都道府県知事は、 不動産の鑑定評価の適正な実施の確保又は不動産鑑定業の健全な発達を図るため必要があるときは、 第四十八条の規定による届出をした社団又は財団に対し、報告を求め、又は助言若しくは勧告をすることができる。
(名称の使用禁止)
第五十一条 不動産鑑定士でない者は、不動産鑑定士の名称を用いてはならない。
(農地等に関する適用除外)
第五十二条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該評価等の行為は、この法律にいう不動産の鑑定評価に含まれないものとする。
一 農地、採草放牧地又は森林の取引価格(農地、採草放牧地及び森林以外のものとするための取引に係るものを除く。)を評価するとき。
二 損害保険の目的である建物の保険価額又は損害填補額を算定するとき。
三 建築士法 (昭和二十五年法律第二百二号)による建築士事務所(木造建築士事務所を除く。)の業務として、建物につき鑑定するとき。
(電子情報処理組織を使用する方法により行う申込み等の特例)
第五十三条 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律 (平成十四年法律第百五十一号)第三条第一項 の規定により、 土地鑑定委員会又は国土交通大臣が第十二条の二、第十七条第一項、第十八条、第十九条第一項、第二十条第一項、第二十三条第一項、 第二十六条第一項、第二十七条第二項又は第二十九条第一項の規定による申込み、申請又は届出 (土地鑑定委員会又は国土交通大臣に対するものに限る。以下この条において「申込み等」という。)を同法第三条第一項 に規定する電子情報処理組織を使用して行うことができるものとしたときは、当該電子情報処理組織を使用して行う申込み等は、 それぞれ第十二条の二、第十七条第一項、第十八条、第十九条第二項、第二十条第二項、第二十三条第一項、第二十六条第二項、 第二十七条第三項又は第二十九条第二項の規定にかかわらず、都道府県知事を経由して行うことを要しない。
(権限の委任)
第五十四条 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、 その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。
(事務の区分)
第五十五条 第十二条の二、第十七条第一項、第十八条、第十九条第二項、第二十条第二項、第二十三条第一項 (国土交通大臣への経由に関する事務に係る部分に限る。)、第二十六条第二項及び第三項(国土交通大臣に通知する事務に係る部分に限る。)、 第二十七条第三項、第二十九条第二項並びに第三十一条第一項 (国土交通大臣から送付を受けた書類の公衆の閲覧に関する事務に係る部分に限る。 ) の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号 に規定する第一号 法定受託事務とする。
第六章 罰則
第五十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 偽りその他不正の手段により不動産鑑定業者の登録を受けた者
二 第三十三条の規定に違反して、不動産鑑定業を営んだ者
三 第四十一条の規定による業務の停止の命令に違反して、業務を営んだ者 第五十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、 六月以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第六条、第十四条の十三第一項又は第三十八条の規定に違反して、秘密を漏らした者
二 不動産鑑定士試験に関し、事前に試験問題を漏らし、又は不正の採点をした者
三 第十四条の十六の規定による実務修習業務の停止の命令に違反した者
四 偽りその他不正の手段により不動産鑑定士の登録を受けた者
五 第三十六条第一項の規定に違反して、不動産の鑑定評価を行つた者
六 第三十六条第二項の規定に違反して、不動産の鑑定評価又は鑑定評価等業務を行わせた者
七 第四十条第一項又は第二項の規定による禁止の処分に違反して、鑑定評価等業務を行つた者 第五十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条の十の許可を受けないで、実務修習業務の全部を廃止した者
二 第十四条の十七の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつた者
三 第十四条の十九の規定による報告を求められて、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
四 第十四条の二十の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
五 第十四条の二十二の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
六 第二十六条第一項の規定に違反して、事務所を廃止し、又は設けた者
七 第二十七条第一項の規定に違反して、変更の登録を申請せず、又は虚偽の申請をした者
八 第二十八条の規定に違反して、書類の提出を怠り、又は虚偽の記載をして書類を提出した者
九 第四十五条第一項の規定による報告を求められて、その報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入検査を拒み、 妨げ、若しくは忌避した者
十 第五十一条の規定に違反して、不動産鑑定士の名称を用いた者 第五十九条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、 使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第五十六条、第五十七条第六号又は前条第六号から第九号までの違反行為をしたときは、 その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 第六十条 第十四条の十一第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、 又は正当な理由がないのに同条第二項各号の規定による請求を拒んだ者は、二十万円以下の過料に処する。
第六十一条 第十九条第一項又は第二十九条第一項の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
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